ふたたび 文月のこと       



1日
(水)梅雨空が降りくたびれたかのように、うっすらと陽が差してきて、何とも蒸し暑い一日。
 今日のユトリーバのために、入用のものを買い物袋に詰め込む。今日はコーラスが終わったら隣の息子の家に移動してお茶の会となるので、その準備も結構大変。
 今日はこの集まりが始まってから丸7年経った記念すべき日なのだけれど、7年間というのはいささかマンネリ気分も生むらしい。今日は忘れて欠席の人が複数。
 7年という数字に感無量となってはしゃいでいるのは、どうやら私だけらしいと気がついたら、なんだか可笑しかった。
 これも歳のせいか、私も感情的になることなく、常に平常心を保てる修行?が身についたらしい。
 今日のコーラスでは久しぶりに「ユトリーバに乾杯」の歌のリクエストが出て、ついでに、これもおととしの秋のコンサート以来に「私が雲になれたならば」も歌っていただいた。
 自分で言うのもおかしいけれど、この2曲は作った本人がとても気に入っている。
 最初は声が出にくいけれども、もともとストレス解消が目的のコーラスなので、敢えて発声法はやらず、好きな歌を次々と歌っているうちに声が整ってくるという、世界一無精なコーラスなのだ。
 月1回というペースではそれが精いっぱい。
 でもメンバーの皆様が喜んで下さるので、それでよしとしている。
 次回の予定を決めるべくカレンダーをみて、8月という数字にびっくりする。
あっという間の1年になってしまいそう。

2日(木)今日は看護師のキノシタさんが来てくれる日。朝から眠くて、寝椅子で寝ている旦那の横の寝心地の悪い椅子で30分ほど寝てしまう。
 目を覚ました旦那がぽつりと、お昼に暖かいそうめんが食べたいという。
しめた、考えなくて済んだ、と喜んだけれど、今日は野菜が何もない昼食となった。
 2時半の予定の彼女が時間になっても現れない。もう一度寝てしまおうかと、思ったところに急患が入ったので1時間遅れるとの電話がはいる。
梅雨時は体調を崩す人が多いらしい。
 それなら本格的に昼寝をしてしまえばよかったな、と思ったけれど、電話ですっかり目が覚めてしまった。
 今日は10日振りにシャワーを浴びて、旦那は気持ちよさそうだったけれど後で少しばかり熱を出した。
 夕方になって区から介護認定の手紙がきた。「要支援2」というのを見て腹が立った。
 年金から7万円も天引きされていて、私が腰痛でこんなに困っていても、病人が起きあがれて、動けて、食べられて、喋れるというだけの理由で、要介護と認められないのだ。
 こんなもの誰が頼りにするものか、という気持ちになる。
 すこしばかり破れかぶれのひねくれた気持ちになって、来週あたり来る訪問診療と看護師さんの請求書が楽しみ。
 今23時20分。パソコンの椅子に座ったら4ヶ所蚊に刺された。今年初めてのこと。なぜか毎年、この椅子の下に蚊がでる。
 どうしてなの?今日はどこも窓を開けていなかったので、玄関から階段を上がって不法侵入したらしい。
 明日は殺虫剤を買ってこなくちゃ。
 今日うれしかったこと、ともさんから何回目かのお見舞いが送られてきた。
 大切に使わせていただく、と感謝いっぱいのお礼の電話を夜になって掛ける。

3日(金)毎日ばたばたと過ごしているうちに夏が来てしまった。春はあったのかしら?
 それにしても今日ほどの忙しさも珍しい。昨日来た介護認定の「要支援2」はちょっと違うのではないかと、看護師センターの所長さんが言われたことに端を発して、所長さんと世田谷区の「あんすこ(あんしんすこやかセンター)」のヒライさんとの話合いのうえで、ヒライさんが午前中に来て下さり区役所に電話をしてくださった。
 帰られてすぐに今度は先生の往診。床ずれの手当をしてくださる。
 午後になって電話が飛び交った末、区の認定調査の方が再度見える。
 平井さんはまた自転車で飛んできて立ち会ってくださり、月曜日にケアマネージャーさんを連れてきてくださることになった。
 調査の方とヒライさんが帰られて間もなくチャイムの音。
 今度は、昨日来た看護師のキノシタさんが通りがかり、といって、玄関先まで、床ずれの場所に敷くクッションを貸してあげる、と、持ってきてくださった。
 皆様によって夫は生かさせてもらっているという実感が湧く。ありがたいこと。
 そんな忙しさの中で、わたしったら、しっかりと2回も昼寝。それで、先生から出された処方箋を薬局に持っていくことが出来なかった。
 旦那は何遍も人が出入りしたので、流石に疲れたらしく、いつ覘きに行ってもしっかりと寝ている。
 今日の晩ご飯は、有るもので間に合わせようと思っていたのに、茄子の煮たのとソラマメが食べたいというので、夕方からお使いに出向いて行った。私っていい奥さんだわよね。

4日(土)訪問診療が軌道に乗ってきたので、病院の外来は行かなくていいと思うのだけれど、Y先生は今週も来るように、との指令を出されている。発病の最初からお世話になっているので、このまま止めてしまうのも道義に反すると思い、今日は行くことにした。
 段々と億劫になるだろうと思うけれど、行かれるうちはこちらも仁義を通さねば。
 今日も点滴をして帰る。部屋の準備を待って旦那がトイレに行っている間に、Y先生が現れて、腹水が溜まってきているのであと10日と、過酷な宣言をされた。
 それでも、来週も来るように、といわれるのは、最後を見とってくださるお積もりと判断したけれど、多分行かないことにするだろう。
 24時間対応の訪問診療の道を選んだために、余計な心配をする必要がなくなって、これは正解だったと思う。
 帰ってから子供たちにいささかのショックを与える話をするときは、少し辛かったけれど、物事には順番があるということだろう。
 とにかく落ち着いて現実を見つめて行かなければ、と自分に言い聞かせる。
 事務的なことは病院と病院の連絡に任せることにする。
 今日の蒸し暑さったら!お蔭で溜まっていた洗濯ものをすっかり乾すことができた。

5日(日)旦那が玄関先の 紅蜀夷が伸びすぎたので紐をからめると言って、出て行った。慌てて追いかけて、私がやると言ったら、やり方が気に入らないと、文句をいう。
 怒り心頭といった感じなので、それなら気の済むようにやれば。と引っ込もうとしたとたん、旦那がよろけてドスンと転んで、肩をしたたかに打った。しばらく起き上がれないようなので慌てて隣の息子を呼びに行ったけれど、息子が来た時はもう自分で起き上がって家に入って行った。
 肘が10pほどすりむけて、血が出ている。憮然としているのは、思い通りにならなくなった自分に腹を立てているらしい。
 お昼に息子がパスタを作って持ってきてくれたので、来てくださっていたパソコン師匠のカズコさんも一緒に食べた頃には機嫌を直してくれたので、ほっとする。
 今日は食欲があって食べてくれたので安心した。すこしでも体力を付けてほしいと、願うばかり。
 今日の私はといえば、下半身不随状態。階段を上るのに四足?で腰をかばっている。
 明日も晴れるかしら。あと10度湿度が下がってくれてほしい。

                         

6日(月)朝調剤薬局から電話があって、土曜日のお代金を頂きましたでしょうか、との問い合わせ。
 早速領収書を探したら、どこにもない。おとといのことなんて全く記憶にないのだけれど、先方にも領収書を出した形跡がないという。どうやら支払わずに帰ってきてしまったらしい。
 薬局では、今回は結構です、と言ってくれたけれども、気分的に落ち着かないので、1670円を支払いに行ったら、薬剤師さんたちに最敬礼をされてしまった。
 土曜日は先生のお話にショックを受けてうわの空だったみたい。こういう時は気をつけなければ……。
 駅の踏切が開くのを待っている間、空を見上げたら、頭の上をツバメがたくさん飛び交っていた。この間見かけた1羽よりもどれも大きい。
 どうやら駅の周辺に巣作りができたみたい。心休まるいいものを見せてもらった。
 途中で郵便局に寄ったら、局長さんが、「お早うございます」と目を輝かせた。
 「この間のこと?」と聞かれて、思い出したのが、定期預金を開いてくれといわれていたこと。まだ今月いっぱいでいいから、考えてくださいね、という言葉を背中に聞いてはいはい、と早々に外に出た。
 デイホームが終わって、家に帰ると追いかけるようにヒライさんがケアマネージャーさんを連れて現れた。
 この間の介護度見直しの件。たまにはお茶を飲んでってね、といつもさっと引き揚げる彼女を引きとめた。
 たまにはねえ…。
 今夜の食事はサンドイッチ、そうめん、シャケ、豆腐ハンバーグ、とパッパラパーな献立。
 今日外に出たついでにあざみの蕾を数えてみたら、80以上有った。
すごく逞しい奴。咲くのを心待ちにしている。

7日(火)10時のヤタベさんに合わせて、ケアマネージャーのユイさんが見えた。これは看護師さんヘルパーさんの相互関係に伴う仁義みたいなものらしい。
 先手必勝という言葉がおかしく聞こえたけれど、私たちにとってはどうでもいい話。
 優しく親切なケアだけを望んでいる。
 このところの連日、事務手続きのため、いろいろな人が訪問して、流石に疲れてきた。初めて介護保険なるものを使うことになったけれど、あまりの複雑さに悲鳴をあげそう。
 この1ケ月の間にどれだけの捺印をしたことか。
 要するにこれは現代社会の大ビジネスだということが、はっきりと理解できた。弱者救済という隠れ蓑の中に、大きな問題がいっぱいある。
 ヘルパーさんは医療にかかわる作業をしてはいけないというのは、理解できるけれど、例えばの話、床ずれの塗り薬を塗るのは医療だから出来ないという。
 「あら、私毎日やっているんだけれど」、と言ったら、家族間の医療行為は例外なんだそうだ。
なんだか釈然としないおはなし。
 お手伝いをして下さるというけれど、たくさんの人が毎日のように訪問して、私たち二人の大事な時間が、どんどん奪われていくような気もする。良く分からないまま介護認定をうけて、ちょっぴり後悔もあるというのが本音。
 旦那は今日疲れからか、盛大に下痢をしてへたばった。

8日(水)今日は朝10時にヘルパーさんが来た。そして、午後2時から4時の間に往診がある。
 朝は往診の前に体を拭いてさっぱりさせてあげます、ということだけれど、私がやったほうが気分的に楽のような気がした。
 奥様の負担を軽くするため、と言われるけれど、どうしても気を遣ってしまう。
 でも今日は優しい男性のイシカワ君。彼は昨日来た事業所の責任者で、ヘルパーさんがまだ決まらないので、それまでは僕がきます、と言ってとても丁寧に旦那の面倒を見てくれた。お昼過ぎにもう一度書類を持ってきた彼は、とても若いけれど、1歳3か月のぼうやのパパだということだった。
 2時半に先生が助手を二人連れて、小走りに車から降りて来診。この前よりも顔色が良いと、旦那を励ましてくださった。
 外来の病院からの連絡を受けていらしたようだけれど、あと10日ということはないでしょう、ただ、急変ということがあるから、注意してください、家でやるのが大変だったら入院の手配をします、とリビングに場を移しての心強いお話だった。
 この先生とお付き合いが切れるのは淋しいから、その意味でも、ずっと家でお世話になりたい、と思ってしまう。
 夕方になって息子が<彼女>を連れてきた。10年つき合って、まだ結婚しないという気のなが〜い、私には理解できない話。
 父親が期限切れすれすれになって、やっと腰をあげたという感じ。私は本人同士が気に入っているなら何も言うことはない。
 さてと、明日も一日振り回されそう!

9日(木)早暁3時に目が覚めてしまい、明るくなるまでもやもやとした意識の中で、じっとしていた。
 昨夜寝るときに、用事があったら起こして、と隣の旦那に声を掛けていた為らしい。
 今日の午前中はフリーなので、ゆっくりと寝ていてもいいのだけれど、溜まったゴミを出さなければいけないと思うと、そわそわと落ち着かずに、6時に起き上がって顔を洗う。
 空は相変わらず不安定で、晴れていたかと思うと、突然降りだしたり、昨日に続いて突風さえが不意に訪れる。
 それは、日に寄っての変化の激しい旦那と競っているような気さえしてくる。
 今日の予定は複雑で、しかもそれが短時間の中でひしめいているのだ。
 まず、うっかりと変更願いを出し忘れたガスの点検が1時半から3時半の間。
 2時半に看護師のキノシタさんが来て、3時にベッドの交換の業者が来るのだけれど、責任感のあるケアマネージャーのユイさんもその時間に立ち会いますという。
 看護師さんには今日はシャワーをお願いしようと思っていたので、その途中にガスが止まっては一大事だ。
 だから、久しぶりで浴槽いっぱいにお湯を張った。
 でも神様がお慈悲をくださったのか、ガスの点検が終わった直後に、彼女が現れた。
 少々の微熱があるけれども、熱の発生源が解っているので、構わずにシャワーを浴びることにした。
 その途中でベッドやさんが3人現れて、ドタンバタンとベッドの交換が行われた。
 すっかり終わったころには、旦那はぐったりとひっくり返ったまま。
 夕方になって、ミノが上等な鯵の干物を届けに来てくれたけれど、旦那は話す元気もない。
 気晴らしがしたいので、ミノといっしょに坂を下りて、神戸屋キッチンと、ドンクでそれぞれの店の好きなパンを買い花屋で小さなブーケを見繕って買ったら、その頃には元気が戻ってきた。
 あと2日今週のメニューをこなす間、元気で居たいと思う。

10日(金)うっすらとミルクを流したような、晴れの予感が漂う朝を迎えた。でも風がかなり強く、よく見ると頭の上にところどころ不穏な雲が漂っている。
 不思議なことに、強い風が吹いているのに、雲は空に張り付いたまま、1ミリたりとも動かない。
 今日は午前中に往診がある他は、誰も来ない貴重な一日なのだ。でも洗濯物は山のように溜まっている。
 とにかく往診の済まないうちは、部屋の中に乾すわけにはいかず、従って午前中は何もしない嬉しい日になった。
 金曜日はA先生。若いけれど、とても懇切丁寧に旦那の気持ちに添った診療をしてくださる。
 忙しいけれど、訪問診療もお互いの気心が理解できるようになって、医師、看護師、ヘルパーさんと、どの人とも仲良くなれそうなのが嬉しい。
 それに第一、こちらから動かないで訪問者が絶えないというのも、お客好きの私にとって嬉しいおはなし。
 今日は久しぶりにピアノを弾いて遊んだ。
 夜になったら、腰痛に加えて歩くと今までにない激痛が膝に走るようになった。
 このところ、バスタブは空にしていたのだけれど、明日までに治さないと困るので、お湯を張って、薬湯にした。
 今夜は痛み止めと塗り薬で、何が何でも封じ込めてしまおう。

11日(土)何が何でも治そうと思っていた腰痛は昨日よりも悪い。でもだからと言ってひっくり返っているわけに行かない今の立場なのだ。場合に依ったら外来はキャンセルしようかと思っていたのだけれど、本人が行かないと先生に悪い、と律儀なことをいうので、今日も8時半に病院に行く。
 先週に続いて今週もビーフリードという美味しそうな点滴を500ccやって帰る。
 血液検査の結果は先週よりも悪いけれど、点滴の間に廊下で先生に会ったら、がんばりましょう、と励まして下さって、やっぱり行って良かった、と思った。
 旦那が病院の出口の数ミリのマットに足をひっかけてよろけたので、受付の人が飛んできてくださった。私一人では支えきれない。
 帰ってからこの暑さの中薬湯にとっぷりと漬かり、腰の状態が良くなったと思ったのに、あっという間にもとの黙阿弥。
 夜になって、1本の電話。
 「あの、私、高校の時に先生にお世話になった××ですけれど…(きたな) 明日の都議選に立候補している○○をよろしくお願いいたします」
 「あら、この間お電話くださった方よね」
 「いえ、初めてです」
 先週の電話。
 「あの私、○○高校の時にクラスは違ったんですけれど、同学年だった△△ですけれど…」以下同文
 「私卒業生ではありません、教師でしたけど」…以下お察しのとおり。
 憚りながら音楽の教師だったわたし、人の声の聞き分けには自信がある。だましたって駄目よ。
 この電話代って、運動費から支払われるのかしら?
 それにしても同級生と教師の差ぐらいちゃんと調べてからにしてよね。選挙のたびに昔の生徒を通して、特定の党派からの電話攻撃に会う。
 だから腹が立って、この党には絶対に入れないことにしている。

12日(日)夕べから医師の指示で、モルヒネが倍量になったため、旦那の眠りが深い。
 深夜2時頃気になって目が覚め、ずっと寝息を聞いていた。朝日が差す8時になっても起きないので、ゆすって起こした。
 痛みの起きないご本人は、あれ?生きてた、なんてさっぱりした顔をしている。
 久しぶりに晴れたので気持よく、外に洗濯ものを乾す。ノリコに午後から玉川高島屋にいかない?と誘っておいたのに、今高島屋にいるけど、何かいらない?と電話してきた。
 あ〜あ、久しぶりに遊びに行こうと思ってたのになあ!
 とっさに懐石風のお弁当2つ買ってきて、と頼んだ。今夜の手抜きだ。
 今まで食事になんて付き合ってくれなかった息子が、この頃親孝行のつもりか、毎晩食事時間にやってくる。
 先週もそうだったのだけれど、ビーフリードという点滴をやってくると、2、3日旦那の食欲が増して、元気になる。
 今日のお昼はおにぎりが食べたい、というので、あり合わせの「たらこ」の中身で作ったら、2個食べた。
 そして…夜はお弁当を1折完食。もう一つは息子に提供したので、私はそこいらへんのものを、つまんで終わりにした。
 今夜も蒸し暑いこと。

             

13日(月)予報は晴れだけれど、べたべたと湿気を含んだ重たい風が吹き荒れる。土、日、月となんとなく気楽なのは、来ることを心の隅で待ち望んでいながら、診療、介護の人が来ない3連日、水入らずでいられるということなのだ。
 それにしても今日も家の中の湿度計をみると80%!こういう日は旦那の体温が乱高下する。
 午前中のんびりと過ごしていて、危うくデイホームに遅れそうになったところに、リュウイチ兄から、「今自由が丘にいる、これから新宿に行く途中でちょっと寄る、」と電話。
 のんびりしすぎて着る物も見つからないありさまの中、慌しく顔を見て、あとはよろしく、とデイホームに向かった。
 夕方になって先週調達できなかった薬を調剤薬局に取りに行って、帰ってきたら、今度はミノがひょっこりと西瓜を持って現れた。
 一日のうちに久し振りで兄弟の顔を見られて嬉しい。
 旦那は今日元気。ビーフリードの点滴の効果が持続しているらしい。明日あたり怪しい雰囲気になるかも。
 夕方食事の支度をしているところに、ケアマネージャーさんのユイさんから電話で、先週の認定見直しの結果、介護4となった、ついては使える物のカタログを持って明日見えるという。一週間の間にめまぐるしく環境整備が整って行って、ほっと一息といったところ。

14日(火)梅雨が明けた。ものすごい暑さで、たった一日でアスファルトも焼け焦げたよう。
 2階から降りてきたら、旦那が居ない。あれ?どこに行ったんだろう。気がついたら炎天下で花の手入れをしている。
 暑さ以上にかっときた。いい加減にしてよ、私が腰痛を抱えてあなたのことをやっているのに、自分から寿命を縮めるようなことするんなら、もうなにもやってあげない、と叫んだら、のこのこと上がってきた。
 なんだか今日はやけに元気。これでは折角獲得した介護度4も返上しなければ。
 認定が変わって早速、お風呂場の入口に手すりを取り付ける業者がやってきた。旦那は強度がどうのこうのと、議論をふっかけ私は、あれ?元気だなあ、とにやにや。看護師のヤタベさんが面白がってけらけら笑っているなかを、業者さんはうんざりした顔で帰っていった。
 ディベートの訓練をしたわけでもないのに、いい加減なことをいうと、どこまでも食い下がってくるのは、若い時のまま。
 一瞬病気が治ったのかと錯覚を起こしてしまう。
 午後になってワタナベご夫妻が、見事なトマトを箱で届けに来て下さった。ついこの間見事なメロンを送ってくださったばかりなのに…ご好意をうれしく頂く。
 今日初めて看護師さんのお支払いをする。13,710円也。

15日(水)今日は午前中に初めてのヘルパーさんが来て、シャワーを浴び、旦那はさっぱりとした。
 この方はとても話好き。きっと血液型はO型に違いない。今日は午後先生の来診があるけれど、忘れてはならないことがある。
 この間残っている薬を整理して処分した時に、間違って、出されたばかりの薬を捨ててしまったことに気が付いたのだ。
 今日が往診日でよかった。
 10種類ほどの薬を毎日セットするのは私の役目なので、これは明らかにわたしのミス。
 この機に薬を変えましょうということになった。先生は、旦那が来る度に元気になる、と喜んで下さるけれど、これが曲者。
 明日のことは判らない。薬を取りに行ったら、すっかりおなじみになった調剤薬局の人が、あれ?というような顔で今日は!というので、実は…と私のエラーをご披露することになった。
 それにしても今日の暑さったら!おまけにものすごい風が吹いて、洗濯物が全部吹っ飛んでしまった。
 庭に降りて拾い集めたけれど、洗い直すのはやめにする。無駄な労力はことごとく排除するという方針に切り替えたので。

16日(木)昨日の猛り狂ったような強風から、はいよ、とバトンを渡されてすかさずやってきたのが、おぞましいような暑さだ。
 午前中からあたりは静寂に包まれたように、ひとの声も聞こえない。それなのに、しばらくベッドでひっくり返っていた旦那が帽子をかぶって出てきた。まさかこの灼熱の中を外に出るんじゃあないでしょうね、と思ったとたんに、台所口から出て行った。
 追いすがる私を振り切って。もうし〜らないっと!
 暫く君子蘭を載せる台などを吟味しているのを、2階から見ていたけれど、本人がばてるまで放っておくことにした。
 流石に10分ももたずに、ギブアップ。ほれ、ごらんなさいな、というセリフを飲み込んで、寝椅子でぐったりしているのを横目に見て、声をかけない。
 なにしろ、ニトロ、モルヒネに加えて2、3日前からステロイドを飲んでいるのだから、これで元気が出なかったら詐欺みたいなもの。
 なんだかやけに元気なのは嬉しいけれど、リバウンドが怖い。

17日(金)近頃とても嬉しいことがある。旦那がタイムリミット的段階に入ってから、子供たちが気にかけて顔を覗かせてくれるのだ。
 朝水の音に目が覚めて、あれ?雨?と思ったら、息子が庭に水やりをしている。どことなくどんよりと重い空だけれど酷暑の予報が出ている。私はといえば、少々疲れが溜まったらしく、やたらと眠い。
 朝から体の芯が1本抜け落ちてしまったような、倦怠感があるけれど、今日は先生の往診が午前にあるので、ぼんやりしてはいられない。8種類の薬の残量を一覧表にまとめて、モルヒネを飲んだ時間を書き込む。
 だいぶ慣れたけれど、一日分の薬をセットするという、責任ある仕事をする時が一番緊張感がある。
 夕方近くなって、九品仏に地代を払いに行ったら、アメリカ人が3人、寺務所でなにか話している。
 待っている間聞くともなく話を聞いていたら、先週若い人が亡くなって、ご両親がやってきたらしい。
 日本語がしゃべれる一人が、今からご供養してほしい、と頼んでいるけれど、予約してなくて、あと30分で山門が閉まってしまう。
 今お坊さんが居ないので、無理です、と断っているけれど、相手はそこをなんとか、と引き下がらない。
 50代くらいのご両親なので、亡くなったのは20代かしら?と外国で亡くなった方のご一家をお気の毒に思った。
 こんなに大きなお寺なのだから、一人くらいお坊さんが居ないのかしら?と少し疑問も感じた。ご供養はいくらですかと、聞いたら5千円です、と言っているのを耳にして、へえ、案外安いんだ、とすこし感激。
 山門の横の閻魔堂という小さな御堂の値段らしい。
 おかあさんの虚ろな目がとても気になった。
 いつものことながら、9時の鬼兵犯科帳を見る頃に、目がはっきりしてきた。でも今夜は胃が重い。

18日(土)今日は病院の外来に行くのはやめにする。行っても待たされた挙句点滴、調剤薬局と同じパターンで、今日は多分血液検査はしないと踏んでの判断だった。
 8時半に断りの電話を入れる。今日から夏休みに入って、辺りはどこも森閑としている。
 私は例によって夕方まで元気が出ない。もともと夜行性の素質があるのだけれど、今はその最たるもの。
 夕方になってやっと重い腰を上げて買い物に出た。駅前の花屋さんの花が、気のせいかぐったりと見えて、花屋のおばさんの愛想のいいこと。
 この人はずっと前にもっと奥の住宅街の中でお店をやっていて、その時に、庭の花では少し物足りないので、買い足して飾ろうと思い、4本下さい、と言ったら、縁起の悪い客、と言われたことがあった。
 何年か前に、もともとある花屋さんの真向かいに店を出して、まあ、喧嘩にならないかしら?と思ったけれど、どうにか共存しているみたい。
 もともと無愛想な人だったけれど、今はたださえこの暑さ。でも、「お客様は神様」方式に切り替えたらしい。
 今夜は食欲がないので、つめたく冷やしたポテトスープともずくだけ食べたら、寝る前になってお腹が空いてきた。
 旦那はこのところ元気。一番しっかりと食事を摂っている。でもちょっと気になるのが、体温が低すぎること。
 今日の体温35度6分。

19日(日)相変わらずの眠い朝。今日は久しぶりに美容院の予約を入れてある。
 雨は降るそぶりを見せていたけれど、ついに天は涙をこぼさなかった。優柔不断というか、あるいはぐっと歯をくいしばっている感じで、こういう日はこちらも洗濯ものを干していいものやら迷ってしまう。でもだんだんと空が晴れてきて、夕焼けのあまりの美しさに旦那を誘って庭に出たところ、逗子のコンサートに行ったノリコから電話で、今大きな虹が出ていると言ってきた。
 うしろを振り返ったら背中に大きな七色の太鼓橋が掛かっていて、外で夕焼けを見ていながら、電話がなかったら、反対側の空の巨大な虹には気がつかずに終わっていたところ。
 夜になって、トオルの家でお寿司パーティを開いてくれた。父の日にお祝いをし損なったので、と言われて、大喜びで隣の家に行った。
 今日は美容院に行って、虹を見て、お寿司を御馳走になって、いい日だったなあ。
 オトーサン完食のうえ、ビールを一口。


                    


20日(月)「海の日」だそうで、テレビで茅ヶ崎の海のお祭り風景を映していた。気持いいだろうなあ、こんなに勢いよく海に入ったら、たまったストレスなんていっぺんに消えてしまいそう。
 休日なので、トオルがデイホームの送迎をやってくれた。炎天下を歩かないで済んで、ラッキー!
 今日はどうしたことか、いつもの休日よりも参加者が少ない。8人欠席とか。じじばばもドライブのお仲間に入れてもらったのかしら。
 車で行って早すぎたので、囲碁を見物していたら、準備しないうちに時間が来てしまい、今日もゆきあたりばったりの進行となる。帰りがけにデイホームの庭で収穫したブラックベリーを頂いて帰る。
 夕方坂を下りて買い物に行ったら、街は休日らしい混雑ぶりだった。歩いている人が皆、「これ以上は脱げません」状態の服装で闊歩、夏はいいなあ。
 旦那が“すあま”が食べたいというので、心当たりのお店に行ったら、お休みだった。
 思いついて、少し足を伸ばし、「AURA」に行ったけれど、お店は無人状態だったので、カクマツさんに会うのを諦めて、並びの花屋で赤いインパチェンスの花の鉢を買った。
 リビングの前のテラスに赤い花があるといいね、と旦那が言っていたのを思い出したので。
 朝から調子が悪くて、食事をまともに食べていなかった旦那は、夕方になってやっと元気になり、食欲が戻ってきたみたい。
 昨日一口お酒を飲んだのが障ったのかしら。

21日(火)テレビのリポーターが、今日は寒いですねえ、と言っているのを聞いてエアコンを消して窓を全開にしたら、なんだか家の中に湿気が籠って、気分が良くない。あわててまたエアコンをドライにセットし直した。
 2、3日前棒雑巾の柄が折れてしまったので、朝のうちに100円ショップに買いに行き、床のざらつきを何日かぶりで解消させてやっとすっきりした。
 途中でどこかの畳屋さんから御用聞きの電話。
 「残念なことにうちは畳の部屋がないんです」とお断りする。
 我が家は全部床張りで、畳がなくてほんとに残念なのだけれど、これは旦那が掃除嫌いの私のために企んだ陰謀なのだ。
 フローリングって、今掃除したところにもうゴミが見えて、ほんとに嫌!
 今日は看護師のヤタベさんが見える日だけれど、いつもなら午前中の訪問が、今日は午後2時過ぎと電話があった。
 その前にと、生協に買い物に行って帰ってきたら、お風呂場から賑やかな声が聞こえてきた。大分慣れた彼女は、2階から着替えも出してくれていて、この分なら留守にしても大丈夫そう。
 夕方思いついてAURAのカクマツさんに、昨日行ったのよ、と電話したら、あまりの不景気にやけになってその辺で遊んでたのだそうだ。
 「買わなくてもいいからきて〜」と叫ばれた。買いたくたって我が家は今火の車なんだわ。
 夜ごはんを食べに来たトオルが、珍しく洗い物を始めた。しめしめ、今日はお任せだわ、とやらせていたら、次々古いものを捨て始めた。
 自慢じゃないけれど、私は少々の賞味期限切れなど気にしない。あらら、と思う間に冷蔵庫が空きすき。
 今度からおだてて、やってもらおうっと。

22日(水)朝旦那が起きてこない。8時半になっても昏々といった感じで寝ているので、心配になって揺り動かしたら、なんで起こさないんだ、と逆切れ。はいはい、どうもすんません、と取り敢えず謝っておく。
 起きなければならないのは、朝食のあとの7種類の薬のため。
 10時にヘルパーさんが来ることになっていたけれど、時間になっても来ない。その間に旦那はまた寝てしまった。
 30分近く経って介護の会社から遅れてすみません、と電話があり、今日はこんな調子ではシャワーも無理と判断して、お休みにしてもらった。
 正直のところ、やってもらうことが見つからない状態で、こちらが望むことは、検討しますと返事が返ってくるので、面倒になって、自分でやるから結構です、ということになってしまうのだ。
 午後の院長先生の往診は3時から5時と予約が入っていたけれど、3時を過ぎたらすぐのご到来だった。
 先生は本人に心配させないようにと、心配りをして下さり、「大丈夫」と言われると、旦那がほっとした顔をみせる。
 今夜もトオルが台所を片づけてくれた。これだけでも、ものすごく楽。
 ミノから電話でヨーコおばちゃんのお父様の訃報がはいった。旦那と同じ時期の発病だったので、元気でいてくださることを願っていたのだけれど、先に逝かれてしまった。このことは旦那には言わないことにして、ご冥福を祈るのみ。

23日(木)クニコさんがハムを送っくださった。早速お礼の電話を入れたら、ほんとは冷やし茶碗蒸しを送りたかったのに、10日かかるというので、ハムになっちゃった、とのお言葉。
 彼女は私以上にせっかちで10日が待てないんだ。
 どちらでも私にとっては元気の元なので、嬉しく頂いた。
 それにしても梅雨が明けたなんてうそっぱち言ったの誰?と言いたくなるような梅雨そのもののじとじと雨の一日。
 ゴミを出しに行ったついでに、表の家の草むしりをちょっぴりやっていたら、見なれた車がやってきて、マキちゃんのご到来だった。
 昨日安曇野に行ってきたのでと、桃とアイスコーヒーの差し入れ。30分であわただしく帰って行ったけれど、30分のために多摩川を渡ってきてくれたと思うと、うれしい。
 ノリコも呼び込んで、暫しのリフレッシュタイムをゲットした。
 午後は看護師のキノシタさんのご来訪。旦那はシャワーでさっぱりとさせて頂いた。
 夕方になって書留2通。これは旦那と私の医療費が8月から1割になるという嬉しいお知らせだった。
 昨日までの計算では1ケ月の医療費は200,000円と踏んでいたので、これでちょっぴり安心。
 今日は一回も外に出なかった、と、夕方になって気がついた。なにしろ人遣いの荒い人と一緒なので、家の中でも相当な歩数を稼いでいる感じ。

24日(金)横殴りの雨が窓を叩く音で目が覚めた。時計を見たら7時。頭の上をひとしきり数機の飛行機が横切っていく音が聞こえた。
 そういえば今日はトオルが朝早い便で大阪に日帰り出張だといっていたから、ひょっとすると、そのなかのどれかに乗っているのかもしれない。
 風と雲の切れ目にまとめて飛び立っていったという感じだった。
 相変わらずの蒸し暑さで、ただでさえ食欲が減退しているので、旦那が朝食をとれないのもよくわかる。
 今朝彼はウイダーインゼリーで済ませてしまった。私は彼が手をつけなかったサラダ、ハムを無理やり食べる。
 そんなことをして、運動不足なので、体脂肪が増えつつある。どうにかしなきゃ、と思うけれど、この足腰ではねえ。
 昨日から作っていたブラックベリーのジャムが大きな瓶で3個分作れた。
 午前中の往診はやさしいアライ先生。例によって懇切丁寧に旦那の納得のいくように話して下さり、元気づけてくださる。
 午後介護の会社のオザワさんが見えて、正式にベッドとクッションのレンタル契約書が交わされた。
 四足の杖も持ってきてくれていたけれど、旦那は杖を使うことを断固拒否。床ずれ用のクッションは、車いす付きの契約になるので、使わないなら、物置にでも放りこんでおいてください、とのことだった。
 今日一日でどれだけのハンコを押したことか。日本のハンコ文化をちょっぴり不思議に思う。
 マキちゃんから電話で、今三越本店で冷やし茶碗蒸しを見つけたけれど、どうする?と言ってきた。早速頼んで、4時に自由が丘の駅までとりに行って、1時間ばかりティータイム。
 西瓜のゼリーとホットコーヒーで生き返った。

25日(土)迷っていたけれど、やっぱり病院の外来に行った。先週行かなかったので、先生は1週間に1回でも2週に1回でもいいから、様子を見せてください、と言われ、今日も点滴をして帰った。
 なんだか中途半端な感じになってしまったけれど、成行きに任せるしかない。
 いずれにしてもあの無機質(室)な空間に旦那を閉じ込めるのはかわいそう過ぎて、出来ないのだ。
 先生もそのことを解ってくださっているらしく、ほんとはね、と言いかけて、まあ、いいや、いいやと手を振られた。
 今さら入院してもどうってことはない。
 駅の前でノリコが「おかあさん」、とすれ違ったので、お兄ちゃんに電話して迎えに来てもらって、と言い、私は駅前のおすしやさんに走った。何故か、病院に来る日のリクエストなのだ。
 帰りに旦那が大きな花屋に行きたいというので環八の角の花屋さんにいって、しこたま鉢を買ってきた。
 これ帰ってからの私の仕事。おかげで眠気が吹っ飛んだけれど、しっかりと蚊の餌食にもされてしまった。
 夜テレビで隅田川の花火をやっていた。
 途中まで見て、洗濯物を入れ忘れていることに気がついて、2階に上がったら隅田川の音が大きく聞こえていた。
 今夜は曇り空で西のはずれに、細い、細い糸のようなお月さま。

26日(日)やっと空が怒りを鎮めたようで、雲のない青い空に涼やかな朝の風が渡っていく。
 昨夜は暑さで食欲がなく、冷麦を流し込んだだけで寝てしまったけれど、今日は昨日の分を挽回しなければこれからの厳しい夏を乗り越えられなくなりそう。
 そういえば今年は梅雨明けの雷様のご到来がなかった。毎年雷様の豪快なノックによって夏の扉が開かれるのを実感するのだけれど、今年の夏は空き巣狙いのように、気がついたら人の懐に入り込んでいる感じ。
これでもう一度気がついたら生気を盗まれていたなんてことにならないように、身構えていなくては。
 今朝新聞を取りに出たら、玄関先の紅蜀夷の蕾がパンパンに膨らんで、開花を待っていた。
 枯れかかっていたカポックと、茶色くなったツツジも、退院してきた旦那がやった肥料が効いて、新芽が出始め、明るい兆しがみられる。これでオトーサンが元気になってくれたら、言うことないんだけど……。



                              

27日(月)今日の予報は雨と出ていたけれど、朝のうちはからりと晴れる。
 でもデイホームの帰りには、あやしい雲がむくむくと現れて、不穏な空となった。帰りに郵便局に行くつもりだったけれど、一旦帰って傘を持って出かけようと思った頃には、エキセントリックな感じで激しい雨となった。今月中にと約束していた定期預金の口座を開いて、我ながら律儀なこと。
 ちょっとのど飴を買いに、と寄ったスーパーで、またしても余分なものを買い込む。どうしてこの貧乏性が直らないのかしら。これでまた冷蔵庫が満杯になって、わが家の若者どもに怒られる。
 夕方ケアマネージャーのユイさんが自転車で頭からしずくをたらしながら現れた。
 濡れているから玄関で、という彼女に無理やり上がってもらって、隣の家にコピーを取りに行っている間に、旦那がユイさんのために、モーツアルトのCDを聴かせたとか。
 ユイさんがモーツアルトが好きとは知らなかった。こんどからこの手でおもてなしをしよう。

28日(火)レイコさんからのお誘いで久々に木畑亭にお昼を食べに行った。おひるを旦那に食べさせてから、急遽誘い出したハルコさんとミツコさんともども4人の楽しい食事会となった。
 マダムがサングリアを出してくださったので、乾杯!帆立のエスカルゴ風バター焼き、冷製パスタ、ポルチーニのリゾット、いかすみパスタ(これ最高!)などを、4人でシェアして満足。仕事から抜けだしてきてまた戻るミツコさんは、ほんとは酒豪だけれど、車なので残念ぞうな顔でオレンジジュースを飲んでいた。
 満足して3時に帰ったらノリコが留守番をしてくれていて、旦那は寝椅子でしっかりと寝ていた。
 こういう時間って今の私にとってとても必要なのだ。
 ちょっとベッドに転がったらそのまま寝てしまい、下から聞こえてくる声に慌てて降りたら、ケアマネージャーのユイさんが昨日の書類を取りに見えていた。今晩のご飯は旦那とそっくり同じ。
この間息子が買ってきてくれたワンプレートで軽く食べたけれど、シャワーを浴びて体重を測ったら、しっかりと1キロ増えていた。

29日(水)このところ夜中に目が覚めて、しばらく起きていることが多くなった。
そこで、目が覚めた3時に安定剤を飲んだところ、朝8時になっても起き上がる気がせず、溜まりにたまったリサイクルを出しそこなってしまった。台所脇のパントリーには2週間分の新聞紙が溢れかえったまま。
 今日旦那は7度5分の熱がある。でも往診の先生は、調子がいいですねえ、とおっしゃるので、そうですか、というしかない。食欲に偏りがあって、何を食べていいのやらわからない、といい、料理の本を見て考えるというけれど、そんなもの若いお嫁さんじゃないから、うちにはないわよ、と反論した。
 温泉卵と、たまには肉が食べたいというので、早速温泉卵と生姜焼きを作って、テーブルに並べ終えたら、すうっと消えていなくなった。
 5分ほどして2階に呼びに行ったら、パジャマに着替えてしっかりと寝ている。ちょっと気になって熱を測ったら8度4分。結局今夜は食事も薬も飲まずに寝てしまった。
 時々意識のレベルダウンがみられて、嫌な感じ。
 
31日(金)数日続いた信じられないような湿気に一呼吸はいって、すこしばかり凌ぎやすい1日となった。
 私にとっても貴重な休息日。朝の往診の先生をお見送りしてから、旦那のお昼の食事を大急ぎで用意して、食べるのを見届けて、余分な用事が割り込まないうちにと、12時15分に家を出る。
 今日は久々のMMKトリオのお食事会。1時に横浜駅西口の高島屋に集合して、しばしの旧交をあたためる。
 東口にわたってミワコさんおすすめのカレーをおいし〜く食べる。マチコさんは目下腰痛持ち。わたしの腰痛はこういう日はあまり苦痛を感じない。一番元気そうなのがミワコさんで、カレーまで御馳走してくださってしまい、この際遠慮なく頂いてしまう。
 帰りに日吉で降りて、そろそろなくなってきたパスタノーゲンを買って帰る。これ、私にとっての救いの神なのだ。腰痛にあれこれ試したけれど、結局この北海道で競馬馬のために作られたという薬が一番効く。
 今日ネパールのミトラスクールの校長先生であるバルア・マサコさんから電話があった。
 同じ音楽やさんで、ネパールで頑張っていらっしゃる彼女とは、どこか共通したエッセンスがあるみたいで、会うと話が弾む。しばらくご無沙汰していたのでとても嬉しかった。
 9月まで日本にいらっしゃるというので、その間にお会いすることを約束した。
 驚いたことにもう明日から8月だって!
   
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